時計を分解する工程は、単に分解するだけの工程ではなく、時計の状態や不具合の原因を見極めるとても重要な工程です。とても小さい内部部品ですが、歯車の歯先の状態などを拡大鏡や顕微鏡で確認しながら分解を進めていきます。
オーバーホール
腕時計のオーバーホール
腕時計は、3年から5年に一度、オーバーホール(分解掃除)することが望ましいと言われています。これは内部油が劣化する期間と同期しています。腕時計の内部は、とても小さい歯車などの部品が組み合わり、動作しています。部品と部品が接触しながら動作しますので、部品の摩耗を防ぐために、粘度の違う数種類の油を適切な量と位置に注油することによって、スムーズに動作するようにできています。
しかし、部品にとって大切な油は、月日と共に汚れ乾燥、劣化することによって、時間が狂ったり、部品が摩耗してしまいます。時計を長くご使用いただくためには、定期的なオーバーホールをおすすめいたします。
時計を分解する
部品とブレス・ケース
の洗浄分解した部品は、部品専用の洗浄機で汚れをしっかり落とします。
機械洗浄後には状態を確認しながら洗浄機で落ちない汚れは手作業で汚れを落とします。
同様にブレス・ケースなどは外装パーツ専用の洗浄機と手洗いで汚れを落とします。組み立て・注油
奇麗になった部品を1つ1つ慎重に丁寧に組み上げ、注油していきます。
オイルの種類、量は、ムーブメント毎に厳格に定められており、メーカーやごく一部の修理店でしか手にすることができない技術資料に従って、顕微鏡で油量を確認しながら慎重に作業します。不良部品がある場合は、修正を加えたり新しい部品と交換します。タイミング調整と
各種テスト5姿勢(時計の向き: 文字盤・文字盤下・3時・6時・9時)での時計の状態確認を繰り返し、タイミングを微調整していきます。
また防水試験機での防水性能のチェック、時間が正しく刻まれているかのランニングテストもこの段階で確認していきます。
精度に関わるとても大事な行程ですので、当店ではこれらの動作テストを十分時間をかけて行います。正常動作を確認した上で、ケーシングしてオーバーホールの一連の作業が完了となります。納品
しっかりと時間をかけ厳しいテストに合格したものだけを納品しています。
修理完了後、発送前に事前連絡を入れさせていただきます。受け取りのご都合等がございましたら、ご遠慮なくご連絡くださいませ。